「野菜や果物をもっと食べよう」と耳にする機会は多いものです。そもそも野菜や果物はなぜ積極的に摂るべきなのでしょうか。人間の身体を構成するために必要な5大栄養素は、たんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素のほか、ビタミン・ミネラルが含まれます。野菜や果物に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維は体内の働きをスムーズにする役割があります。

例えば、ビタミンAは目の健康を保ち、ビタミンCはコラーゲンの生成を促し、食物繊維は消化を活発にしてデトックスを手助けします。これらの成分が不足すれば、体力が低下したり、骨がもろくなったり、貧血になったりと、健康に支障をきたす事にもなりかねません。野菜や果物を食べない事で健康リスクは確実に増大し、栄養の偏りが大きいほどリスクは増す傾向にあります。

野菜や果物の摂取量を増やす事で生活習慣病をはじめ、様々な疾患の予防につながるのです。さらに野菜は低脂肪・低カロリーでありながら、食べすぎを防いで余分な脂質や糖分の吸収を抑える効果もあります。ビタミンやミネラル、食物繊維は、肉や魚などほかの食べ物からは摂取しにくいため、野菜や果物から摂るのが最も効率的です。

厚生労働省が推奨する成人1日の野菜摂取量は350g以上です。内訳としては、βカロテンを多く含む緑黄色野菜が120g以上、淡色野菜が230g以上となります。これは生活習慣病をはじめ、脳梗塞･心臓病･がんなどあらゆる疾患を防ぐために必要とされる量です。しかしながら厚生労働省の調査では、どの年代も目標の350gには達しておらず、日本人の野菜不足は深刻な問題となっています。野菜を意識して食べているつもりでも、毎日となると不足している方が多いようです。

朝食を抜いてしまえば、昼と夜の2食で350g以上を摂取するのは大変です。付け合わせの千切りキャベツやレタス、ニンジンばかりなど、偏った栄養素ばかりを摂取してしまっているケースも少なくありません。また、野菜は調理の過程で栄養素が失われてしまう場合があります。

例えば、大根や白菜などに含まれるビタミンCは加熱によって減少してしまいます。手軽な市販の野菜ジュースもビタミンCや食物繊維は減少しますから、身体に必要なビタミンやミネラルはどうしても不足しがちになります。意識しない限り、野菜の持つ栄養素を余す事なく摂取するのは難しいのです。

健康のために良いと分かっていても、忙しい毎日を送る中で野菜や果物を毎日たっぷり食べるというのは、想像以上に大変です。通販で新鮮な野菜を取り寄せたところで、きちんと料理を作る時間もないという方も多いでしょう。栄養素を壊さないよう、サラダを大量に食べるというのも現実的ではありません。

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